この記事でわかること
– 鉄の比重は約7.85:定義と密度との違い
– アルミ・コンクリートとの材料比重比較表
– 断面積から鋼材重量を計算する方法
鉄の比重とは何か:定義をシンプルに理解しよう
鉄(鋼材)の比重は約7.85です。
比重とは水(4℃)の密度を1とした時の相対的な重さのことです。
鉄の密度は 7.85 g/cm³(= 7850 kg/m³)であるため、比重も 7.85 となります。
比重の導出式:
7850 kg/m³(鉄の密度)÷ 1000 kg/m³(水の密度)= 7.85(比重)
このように比重は「水の密度を1とした相対値」であり、単位はありません(無次元数)。
密度の数値と比重の数値が同じになるのは、水の密度が 1000 kg/m³ = 1 g/cm³ だからです。
材料別 比重・密度 比較表

代表的な建設材料の比重を比較します。
| 材料 | 比重 | 密度(kg/m³) | 鉄に対する比率 |
|---|---|---|---|
| 鋼材(鉄) | 7.85 | 7850 | 1.00 |
| 異形棒鋼(SD345) | 7.85 | 7850 | 1.00 |
| ステンレス鋼 | 7.93 | 7930 | 1.01 |
| アルミニウム | 2.70 | 2700 | 0.34(鉄の約1/3) |
| コンクリート | 2.30 | 2300 | 0.29 |
| 水 | 1.00 | 1000 | 0.13 |
| 木材(杉) | 0.38 | 380 | 0.05 |
コンクリート用異形棒鋼(SD345)も鋼材のため、密度は 7850 kg/m³ です。
アルミは鉄の約1/3の重さであるため、軽量化が必要な構造物に使われます。
具体的な重量計算手順

鋼材の重量= 断面積 × 長さ × 密度(7850 kg/m³)
| 計算ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 断面積を求める | 断面寸法からA(m²)を算出 |
| ② 体積を求める | A × 長さ(m) |
| ③ 重量を求める | 体積(m³)× 7850 kg/m³ |
計算例①:厚さ9mm・幅200mm・長さ6mの鋼板
- 断面積:0.009 × 0.200 = 0.0018 m²
- 体積:0.0018 × 6 = 0.0108 m³
- 重量:0.0108 × 7850 = 約 84.8 kg
計算例②:D13鉄筋(断面積 1.267 cm²)1m あたりの重量
| 計算ステップ | 内容 |
|---|---|
| 断面積をm²に換算 | 1.267 cm² ÷ 10,000 = 0.0001267 m² |
| 体積(1mあたり) | 0.0001267 m² × 1 m = 0.0001267 m³ |
| 重量 | 0.0001267 × 7850 = 約 0.995 kg/m |
D13鉄筋は 1m あたり約 1.0 kgと覚えておくと現場で役立ちます。
土木・建設現場での活用場面
比重の知識は重量管理・構造設計に直結します。
- 鉄骨積算:H鋼・角パイプ・プレートの重量を計算して発注数量を算出
- クレーン計画:吊り荷重量を算出してクレーン機種を選定
- 橋梁設計:鋼桁の自重を死荷重として設計に反映
- 仮設材管理:H鋼支保工・鋼矢板の重量を輸送計画に組み込む
単位重量(kg/m)はJIS規格の形鋼表に記載されており、実務では表を参照するのが最も効率的です。 (関連記事: 水の密度)
まとめ:鉄の比重の基本チェックリスト
- ☐ 鉄の比重は 7.85(密度:7850 kg/m³)を覚えた
- ☐ 比重は水を1とした相対値であることを理解した
- ☐ 断面積 × 長さ × 7850 で重量を計算できる
- ☐ アルミの比重(2.70)と比較できる
- ☐ JIS形鋼表の単位重量(kg/m)を活用できる
FAQ
Q1. 鉄と鋼の比重は同じですか?
ほぼ同じです。純鉄の比重は約7.87、一般的な構造用鋼材(SS400等)は7.85が標準値です。
Q2. 比重と密度の違いは何ですか?
比重は無次元数(水の密度との比)、密度は単位がある量(g/cm³ や kg/m³)です。水の密度が 1 g/cm³ のため、数値は同じになります。
Q3. ステンレスと鉄、どちらが重いですか?
ステンレスの比重は約7.93で、鉄(7.85)よりわずかに重いです。
Q4. 重量計算を簡単にする方法はありますか?
JIS規格の形鋼一覧表に単位重量(kg/m)が記載されています。長さと掛け算するだけで重量が出ます。
Q5. 鋼材の重量をトンで出すにはどうしますか?
kg で求めた重量を ÷1000 するとトン(t)になります。例)1000 kg = 1 t。

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