この記事でわかること
– 水の密度の標準値 1,000 kg/m³(= 1 g/cm³) の意味
– 温度・塩分による密度の変化と海水との違い
– 浮力・水圧・流量など土木水理計算での実践的な使い方
水の密度とは:定義をシンプルに理解しよう
水の密度とは、水 1 m³(立方メートル)あたりの質量で、4℃で 1,000 kg/m³(= 1 g/cm³)です。
密度 ρ(ロー)は「単位体積あたりの質量」を表します。
ρ = 質量 ÷ 体積 が基本公式です。
水の密度と温度・塩分の関係

純水の密度は温度によって変化します。
| 水温(℃) | 密度(kg/m³) |
|---|---|
| 0(氷点) | 999.84 |
| 4(最大) | 1,000.00 |
| 20 | 998.20 |
| 40 | 992.22 |
| 100 | 958.37 |
4℃で密度が最大になるのが水の特性です(異常膨張)。
淡水・海水・コンクリート・鋼材の密度比較
| 物質 | 密度(kg/m³)または(t/m³) |
|---|---|
| 純水(4℃) | 1,000 kg/m³ = 1.000 t/m³ |
| 海水(常温) | 1,025 kg/m³ |
| コンクリート(RC) | 2,300〜2,400 kg/m³ |
| 鋼材 | 7,850 kg/m³ |
具体的な計算例:水圧と浮力の計算

深さ h = 3 m の水中の水圧(ゲージ圧)を求めます。
| ステップ | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| ① 公式 | P = ρgh | — |
| ② 代入 | 1,000 × 9.81 × 3 | = 29,430 Pa = 29.4 kPa |
φ600 mm 管(断面積 0.283 m²)が深さ 2 m に水没したときの浮力
| 計算 | 結果 |
|---|---|
| F = ρgV = 1,000 × 9.81 × (0.283 × L) | L m あたり 2,776 N/m |
土木・建設現場での活用場面
水の密度 1,000 kg/m³ は土木水理計算のあらゆる場面で使います。
- 浮力計算:F = ρgV(地下構造物の浮上安定)
- 水圧計算:P = ρgh(堰・護岸・ダム・水槽の側圧)
- 流量計算:質量流量 = 体積流量 × ρ(排水ポンプ選定)
- 土の比重換算:土粒子比重 Gs と水の密度の比較で間隙比を計算
海洋工事・港湾工事では海水密度 1,025 kg/m³ を使うことを忘れずに。
まとめ:水の密度チェックリスト
- ☐ 水の標準密度 1,000 kg/m³ = 1.0 t/m³ = 1 g/cm³ を即答できる
- ☐ 水の密度が 4℃で最大になることを説明できる
- ☐ 海水の密度が 約 1,025 kg/m³ であることを覚えている
- ☐ 水圧公式 P = ρgh に水の密度を代入して計算できる
- ☐ 浮力公式 F = ρgV で地下構造物の浮上判定ができる
FAQ
Q1. 「水の比重は 1」とはどういう意味ですか?
比重とは水の密度(1,000 kg/m³)を基準にした相対値です。水の比重は 1.000(≒ 1)です。比重に 1,000 を掛けると kg/m³ の密度が得られます。
Q2. 水の密度と単位体積重量の違いは?
密度は kg/m³(質量)、単位体積重量(比重量)は kN/m³(力)です。水の単位体積重量は 9.81 kN/m³(≒ 9.8 kN/m³)です。
Q3. 海水と淡水で浮力はどう変わりますか?
海水(1,025 kg/m³)の方が密度が高いため、同じ体積なら 2.5% 大きな浮力が発生します。海洋構造物や港湾施設の設計では必ず海水密度を使います。
Q4. 温水と冷水で同じ体積の水の重さは違いますか?
違います。冷水(4℃付近)の方が密度が高いため重くなります。ただし土木計算では温度変化の影響を無視して 1,000 kg/m³ を使うのが一般的です。
Q5. ダム設計で水の密度が重要な理由は?
堤体に作用する水圧 P = ρgh の計算に直結するからです。貯水量が多いほど水圧が大きくなり、堤体の安定・転倒・滑動計算に影響します。

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