この記事でわかること
– 桁(けた) の定義と梁・柱との関係
– I桁・箱桁・T桁など橋桁の種類と特徴
– 桁の架設工法の種類と土木設計での選定ポイント
目次
桁とは何か:定義をシンプルに理解しよう
桁(けた)とは、上部からの荷重を支えて端部の支点(橋台・橋脚)に伝える水平部材のことです。
橋梁では橋桁(はしげた)と呼ばれ、主に鋼材またはプレストレストコンクリート(PC)で製作されます。
建築物の大梁(はり)に相当する橋梁部材で、鉄道橋・道路橋ともに使われます。
建築の「梁」が柱と柱の間を水平に渡す部材であるのと同様に、橋梁の桁は橋台・橋脚の間を水平に渡して交通荷重・自重を支える点で同じ役割を果たします。
橋桁の種類と断面形状

形状・材料・スパンによって最適な桁の種類が異なります。
| 種類 | 断面形状 | 特徴 | 適用スパン(目安) | 代表的な橋梁事例 |
|---|---|---|---|---|
| I桁(鋼I桁) | I形 | 軽量・経済的 | 20〜40 m | 一般道路橋・農道橋 |
| 箱桁(鋼箱桁) | 閉断面(□形) | 高剛性・ねじれ強い | 40〜200 m 以上 | 大型吊り橋の補剛桁・斜張橋 |
| T桁(PC T桁) | T形 | プレキャスト化が容易 | 15〜35 m | 高速道路高架橋 |
| π桁(PC π桁) | π形 | 軽量・少数主桁 | 10〜25 m | 歩道橋・農業用水路橋 |
| 床版桁 | 板状 | 小スパン・薄型 | 5〜15 m | 農道・林道の小橋梁 |
鋼桁設計の基本事項

桁の設計では応力・たわみ・安定性を照査します。
| 照査項目 | 基準 | 内容 |
|---|---|---|
| 曲げ応力 | 許容応力以内 | 最大曲げモーメントに対する断面性能確認 |
| せん断応力 | 許容応力以内 | 支点付近のウェブせん断力確認 |
| たわみ | スパン/400 以下 | 活荷重によるたわみ量制限 |
| 座屈 | 横倒れ座屈しない | 上フランジの横方向補剛確認 |
土木・建設現場での活用場面
桁は橋梁工事の中心的な部材で、架設工法の選定が重要です。
| 架設工法 | 概要 | 施工コスト目安 | 主な使用条件 |
|---|---|---|---|
| クレーン架設 | 地上クレーンで桁を吊り込む | 標準的(比較的低コスト) | 陸上・桁下空間が確保できる場合 |
| 片持ち架設 | 橋脚から外側へ張り出しながら施工 | 高コスト(専用設備が必要) | 深い谷・大河川の大スパン橋梁 |
| 送り出し架設 | 桁をレール上で横移動させる | 中程度(設備費・据付費) | 桁下に立入不可・交通規制困難な場合 |
| フローティングクレーン | 台船上のクレーンで水上架設 | 高コスト(海上作業費) | 河川・海峡・港湾での架設 |
架設工法の選定は工期・コスト・現場制約(交通規制・水深・桁下空間)に依存します。
まとめ:桁の基本チェックリスト
- ☐ 桁は水平に設置され荷重を支点に伝える部材であることを理解した
- ☐ I桁・箱桁・T桁の断面形状と適用スパンの違いを覚えた
- ☐ 曲げ・せん断・たわみが桁設計の主な照査項目であることを確認した
- ☐ クレーン架設・片持ち架設など主な架設工法を把握した
- ☐ スパンが大きいほど箱桁が有利であることを理解した
FAQ
Q1. 桁橋と桁はどう違いますか?
桁橋は桁(水平部材)を主構造とする橋梁全体の名称で、桁はその主要部材(構造部品)を指します。
Q2. 鋼桁と PC 桁の使い分けは?
スパン 15〜40 m 程度ではPC桁が経済的、40 m を超える大スパンでは鋼箱桁が主流です。
Q3. 箱桁がねじれに強い理由は?
断面が閉じた形(閉断面)のため、ねじり剛性が開断面(I桁)に比べて数十倍〜数百倍高くなります。
Q4. 桁の「主桁」と「横桁」の違いは?
主桁は橋軸方向(橋の長手方向)に配置された主要部材、横桁は主桁間を繋ぐ直交部材で桁の横倒れを防ぎます。
Q5. 道路橋示方書(道示)では桁をどう分類しますか?
道路橋示方書(Ⅱ鋼橋・鋼部材編)では形式別に規定されており、I桁橋・箱桁橋・トラス橋などに分類されます。

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