三乗の公式は、(a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³、(a-b)³=a³-3a²b+3ab²-b³です。係数は1・3・3・1。展開と因数分解の違い、符号の覚え方、三乗の和・差の公式を一覧で整理します。途中式付きの計算例で確認できます。
この記事でわかること
- 三乗の展開公式と、三乗の和・差の因数分解
- 係数1・3・3・1と符号の覚え方
- (2x+3)³や(x-2)³の計算手順
三乗の公式とは:2つの公式を整理しよう

三乗の公式とは、和や差を3回かけた式を展開する公式です。 展開は、かっこを外して項の和に直す操作を指します。
| もとの式 | 展開結果 | 覚える符号の並び |
|---|---|---|
| (a+b)³ | a³+3a²b+3ab²+b³ | +、+、+、+ |
| (a-b)³ | a³-3a²b+3ab²-b³ | +、-、+、- |
aの指数は3→2→1→0、bの指数は0→1→2→3です。各項の指数の合計は3になります。符号の並びは式の表記であり、代入後の各項の値が正とは限りません。
公式の導き方
二乗の展開結果に、もう一度(a+b)をかけると導けます。 次の順で同じ文字の項をまとめます。
| 手順 | 式 |
|---|---|
| 二乗を展開 | (a+b)²=a²+2ab+b² |
| さらにかける | (a²+2ab+b²)(a+b) |
| 各項を分配 | a³+a²b+2a²b+2ab²+ab²+b³ |
| 同類項をまとめる | a³+3a²b+3ab²+b³ |
(a-b)³は、bを-bに置き換えます。 bの指数が奇数の項、つまりa²bとb³の前がマイナスになります。
係数の覚え方はパスカルの三角形です。最上段の「1」を0段目とすると、3段目が「1・3・3・1」です。1段目から数える場合は4段目に当たります。
計算例
aとbに当たる部分を先に決めると、係数の計算ミスを防げます。 (2x+3)³ではa=2x、b=3です。
| 項 | 代入する計算 | 結果 |
|---|---|---|
| a³ | (2x)³ | 8x³ |
| 3a²b | 3×(2x)²×3 | 36x² |
| 3ab² | 3×2x×3² | 54x |
| b³ | 3³ | 27 |
したがって、(2x+3)³=8x³+36x²+54x+27です。(2x)³は2も三乗するため、2x³にはなりません。
差の例では、(x-2)³=x³-6x²+12x-8です。x=3を代入すると、左辺は1、右辺も27-54+36-8=1になります。代入は計算ミスの発見に役立ちますが、1つの値で一致するだけでは恒等式の証明にはなりません。
数の三乗も、計算しやすい数との差に置き換えられます。99³なら、99=100−1として差の三乗の公式を使います。
| 公式の項 | a=100、b=1を代入 |
|---|---|
| a³ | 100³=1,000,000 |
| −3a²b | −3×100²×1=−30,000 |
| +3ab² | +3×100×1²=+300 |
| −b³ | −1³=−1 |
したがって、99³=1,000,000−30,000+300−1=970,299です。100³−1³だけでは中間の2項が抜けるので、4項を順に書いて確かめましょう。二項式の展開はOpenStaxの二項定理の解説でも確認できます。
因数分解への応用
因数分解は、展開とは逆に式を積の形へ直す操作です。 4項の完全な三乗と、2項の三乗の和・差を見分けましょう。
| 式の形 | 因数分解の結果 |
|---|---|
| a³+3a²b+3ab²+b³ | (a+b)³ |
| a³-3a²b+3ab²-b³ | (a-b)³ |
| a³+b³ | (a+b)(a²-ab+b²) |
| a³-b³ | (a-b)(a²+ab+b²) |
例えば、x³+8=(x+2)(x²-2x+4)です。一方、x³+6x²+12x+8は(x+2)³になります。a³+b³と(a+b)³は一般に別の式で、中間の2項の有無が違います。
まとめ:三乗の公式チェックリスト
係数・指数・符号を順に確認してから計算しましょう。 最後に展開し直すと、因数分解の答えも確かめられます。
- ☐ 係数の大きさは1・3・3・1
- ☐ aの指数は減り、bの指数は増える
- ☐ 差の三乗は+、-、+、-の並び
- ☐ (2x)³の2も三乗する
- ☐ 和の三乗と三乗の和を区別する
FAQ
迷ったときは、かっこの位置と項の数を確認します。 よくある疑問は次の5つです。
Q1. (a+b)³はa³+b³になりますか?
一般にはなりません。a=b=1なら、(1+1)³=8に対し、1³+1³=2です。展開には3a²bと3ab²も必要です。
Q2. (a-b)³の符号はどう覚えますか?
式をaの次数が高い順に並べ、+、-、+、-と交互に書きます。bを-bに置き換えると、bの奇数乗だけ符号が変わるためです。
Q3. 二乗の公式との違いは何ですか?
一般形で(a+b)²はa²+2ab+b²、(a+b)³はa³+3a²b+3ab²+b³です。係数は1・2・1から1・3・3・1へ変わります。
Q4. 三乗の公式は体積計算に使えますか?
立方体の一辺をaからa+bへ伸ばした場合に使えます。体積の増加は(a+b)³-a³=3a²b+3ab²+b³です。a、bがmなら体積の単位はm³です。
Q5. x³-8はどう因数分解しますか?
x³-2³と見て、三乗の差の公式を使います。答えは(x-2)(x²+2x+4)です。かけ直して中間の項が消えることを確認してください。

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