この記事でわかること
– 断面二次モーメント(I) の定義と単位
– 矩形・円形断面の計算公式と計算例
– 断面係数(Z) との役割の違い
断面二次モーメントとは何か:定義をシンプルに理解しよう

断面二次モーメントとは、断面が曲げ変形に対してどれだけ抵抗できるかを表す断面の性質です。
- 記号:I
- 単位:m⁴ または cm⁴
- 定義式:I = ∫y²dA(中立軸からの距離yの2乗 × 微小面積dAを積分)
重心軸から遠い位置の面積が特に大きく寄与します。
H形鋼がI字断面をしているのも、フランジを中立軸から離して I を大きくするためです。
断面形状別の計算公式
よく使う2断面の公式を覚えておきましょう。
| 断面形状 | 公式 | ポイント |
|---|---|---|
| 矩形(長方形) | I = bh³ / 12 | 高さhが3乗で効く |
| 円形 | I = πr⁴ / 4(=πd⁴/64) | 直径dで表すことも多い |
矩形断面では高さを2倍にするとIは8倍になります。
梁を「立てる方向」に使うことが構造効率上の基本です。
矩形断面の計算例
幅200mm・高さ400mm の矩形断面の I を求めます。
| 変数 | 値 |
|---|---|
| 幅 b | 200 mm |
| 高さ h | 400 mm |
I = bh³ / 12 = 200 × 400³ / 12 = 約1.07 × 10⁹ mm⁴
断面二次モーメントと断面係数の違い
IとZは使う場面が異なります。必ずセットで覚えてください。
| 断面性能 | 記号 | 用途 | 公式 |
|---|---|---|---|
| 断面二次モーメント | I | たわみ量の計算 | I = bh³/12 など |
| 断面係数 | Z | 曲げ応力度の計算 | Z = I / e |
eは重心軸から縁端までの距離です。
Iが大きいほどたわみにくく、Zが大きいほど曲げ応力が小さくなります。
まとめ:断面二次モーメントの基本チェックリスト
- [ ] 断面二次モーメントI=曲げ剛性を表す断面性能
- [ ] 矩形:I=bh³/12(高さhが3乗で効く)
- [ ] 円形:I=πr⁴/4
- [ ] 断面係数Z=I/e(曲げ応力度の計算に使う)
- [ ] IとZは別物。使う場面を区別する
FAQ
Q1. 断面二次モーメントが大きいほど良いですか?
はい。Iが大きいほど梁のたわみが小さくなり、構造的に有利です。
Q2. 矩形断面で高さと幅を入れ替えるとIはどう変わりますか?
大きく変わります。高さが3乗で効くため、幅200×高さ400と幅400×高さ200では前者のほうが8倍のIになります。
Q3. H形鋼のIはどうやって計算しますか?
全体の矩形断面から、ウェブ両側のくぼみ部分の矩形断面を引いて計算します(中空断面の公式)。
Q4. 施工管理試験で断面二次モーメントは出ますか?
1級土木施工管理技士の学科試験で構造力学の問題として出題されます。
Q5. 断面二次モーメントとポーラー断面二次モーメントの違いは?
通常のIは曲げに対する性質で、ポーラー断面二次モーメントJはねじりに対する性質です。

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