
礫(レキ)、砂、シルト、粘土の違いって何?土木初心者でよくわからない。周囲にも聞けない。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
- レキ、砂、シルト、粘土の違い
- 粒径による分類
- 地盤工学的な観点からの比較
- 現場での見分け方
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
本記事では、レキ、砂、シルト、粘土の特徴の違いについて解説したいと思います。
この記事を読めば、土質の初歩的な知識が身につきます。
目次
レキ、砂、シルト、粘土の違い
レキ(礫)、砂、シルト、粘土は、土壌や地盤を構成する基本的な粒子であり、それぞれ粒径や物理的性質が異なります。
以下に、これらの違いを粒径、性質、地盤工学的な特徴に分けて解説します。
レキ(礫)

- 透水性: 非常に高く、水はけが良い。
- 地盤特性: 粒が大きいため、地盤としての支持力が高く、安定性がある。
- 用途: 道路工事の下層材やコンクリートの骨材などに利用される。
砂

- 透水性: 高く、水はけが良い。
- 地盤特性: 粒子が比較的大きく、締め固めやすいが、液状化のリスクがある。
- 用途: コンクリートやモルタルの骨材、庭やグラウンドの表層材など。
シルト

- 透水性: 低く、水はけが悪い。
- 地盤特性: 粘性が低く、圧密沈下が起こりやすい。
- 感触: 乾燥時は粉状、湿潤時は滑らかで粘り気が少ない。
粘土

- 透水性: 非常に低く、水を多く含みやすい。
- 地盤特性: 粘着性が高く、圧密沈下が長期間にわたって進行する可能性がある。
- 感触: 湿ると粘り気が強く、乾燥すると硬化する。
粒径による分類
種類 | 粒径の範囲 | 特徴 |
レキ(礫) | 2mm以上 | 小石や玉石。粒が大きく、水はけが良い。地盤として安定性が高い。 |
砂 | 2mm~0.075mm | 肉眼で確認できる粒子。水はけが良く、乾燥するとサラサラ。 |
シルト | 0.075mm~0.005mm | 砂より細かく、粘土より粗い。乾燥すると粉状、湿ると滑らか。 |
粘土 | 0.005mm以下 | 非常に細かい粒子。粘着性が高く、水分を多く含む。 |
地盤工学的な観点からの比較
特性 | レキ(礫) | 砂 | シルト | 粘土 |
透水性 | 高い | 高い | 低い | 非常に低い |
圧密沈下 | ほとんどなし | 少ない | 起こりやすい | 起こりやすい |
地盤の安定性 | 高い | 比較的高い | 低い | 低い |
液状化のリスク | 低い | 高い(特に粒径が均一な場合) | 低い | 低い |
現場での見分け方
- レキ(礫): 肉眼で容易に確認できる大きな粒子。手で触れると硬く、ザラザラしている。
- 砂: 指でこするとザラザラし、手から簡単に落ちる。
- シルト: 乾燥時は粉状で、湿ると滑らか。手でこねてもまとまりにくい。
- 粘土: 湿ると粘り気が強く、手でこねると団子状になる。乾燥すると硬化し、割れやすい。
これらの情報は、地盤調査や建設計画を立てる際に重要な指標となります。
特に、地盤の安定性や透水性を評価する際には、各粒子の性質を正確に把握することが求められます
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