
切土って?盛土との違いがわからない。わかりやすく解説しているサイトもないし。かといって、上司、先輩に聞くのもなあ。
こういった悩みに答えます。
- 切土とは?
- 切土と盛土の違いを解説
- 切土で注意すべき点【5つ】
私も土木について詳しくありません。
なので、書籍、インターネット、上司、先輩を利用して情報をかき集め、かんたんにまとめてみました!
もしよろしければ参考にしてください!
切土とは?

切土(きりど)とは、今ある山の土を削って平らにすることです。
人、車が通れるような平らな道をつくるときや、斜面をつくる、平にするときに切土をします。
ざっくりとした図はこんな感じ。

あと切土で重要なのは、「切土は法面保護工とセットでやる」ということです。
※法面保護とは、法面に草を植えたり、コンクリートを吹き付けたりすることです。

切土と盛土の違いを解説

切土と盛土の違い、見分け方をかんたんに解説します。
- 切土:斜面を平らにするために、土を削り取る作業。
- 盛土:斜面を平らにするために、土を盛る作業。
切土と盛土の違いは「土を盛るのか、削り取るのか」です。
盛土については、こちら「【図解】盛土とは?埋戻や切土との違いを簡単解説【注意点もあり】」で解説しています。
※切土とほとんど一緒なので、確認はさらっとで大丈夫です。
切土で注意すべき点【5つ】

切土で注意すべき点は5つあります。
- 土質
- 高さ
- 勾配
- 地盤
- 水
それぞれ、具体的に解説します。
①土質
切土した際に表面にでてきた土が、砕石(岩を細かく砕いたもの)や砂などの「粒があらいもの」の場合、注意が必要です。
粒があらいものは、法面の侵食をうけやすいのが特徴。つまり、せっかく切土した斜面が削れてしまうということです。加えて、法面保護もしにくい土質でもあります。
下の図では、わかりやすく垂直に切土していますが、基本は勾配をつけて切土します。
詳しくは③勾配で解説します。

切土した法面が崩れないように「土羽をうつ」必要があります。
「土羽をうつ」とは、法面に最後の仕上げをすることです。
具体的な工法としては、法面直下30cmの部分に、侵食に強い土を使って仕上げます。
参考図は以下のとおりです。

切土をする際は、「どんな土質が表面にでてくるのか」に注意して施工しましょう!
②高さ
切土が高すぎると、法長(法面の長さ)も長くなり、法面が削られることがあるので、注意が必要です。
急な坂道を想像してみてください。その坂道の頂上からボールを転がしたとき、坂道が長い方と、短い方。どちらの坂道のほうがボールは速いでしょうか。それは、坂道が長い方です。
切土の法面には、雨水だったり、土砂だったり、落石だったり。さまざまなものが侵入してきます。
法長が長くなればなるほど、侵入してきたもののスピードはあがり、同時に法面はどんどん削れていきます。
削られないような対策として、小段をつくる方法があります。

このように、小段をつくることで、法面への影響を最小限にすることができます。
小段は、切土の高さが5m〜10mくらいに、1つずついれます。
切土する際に、「どのくらいの高さから切土するのか」は確認してください!
③勾配
切土斜面が急すぎると、法面が削られる可能性があるので、勾配には注意が必要です。
②の高さでも話しましたが、斜面が急だと、雨水や土砂のスピードがあがり、どんどん法面が削られます。
なので、切土法面の勾配は、基本1:0.8〜1:1.2にするようにしましょう!※土質によって多少変わります。
勾配1:0.8と1:1.2は、こんな感じです。
※ちなみに、盛土の場合は1:1.8です。

※勾配については、こちら「法面勾配の意味と、角度や距離の計算(具体的に学ぶ数学)」で、めちゃわかりやすく解説されています!
切土する際の「法面がどのくらいの勾配なのか」は確認してください!
④地盤
切土する場所の地盤を事前に確認することは、非常に重要です。
下記の事前確認をしないと、切土面が崩壊するおそれがあります。
- 軟弱な土質ではないか
- たくさんの水が含まれていないか
- ちゃんと締め固まっているか
しっかり調べておかないと、地すべりの原因になり、大事故につながります。
工事に入る前は、必ず地盤調査をしましょう。
⑤水
切土する場所の「水の流れ」を確認することは、非常に重要です。
工事する上で、水はとてもやっかいです。
- 雨水で法面が削られる
- 雨水が侵入し、地すべりが起きる。
- 地下水の影響で、地すべりが起きる。
ただ、工事にかかるお金も限られているため、すべての地盤を調査し、水の流れや土の水分量を調べることはできません。
なので、あたりをつけて調査をすることが必要になります。
最後に

切土についての解説は以上です。
「ああなってそう」「こうなっていそう」このような予測が、将来の大事故を防ぐのだそうです。
まだ若手で経験も浅いですが、この「予測すること」を大切にして、施工していきます。
参考になったでしょうか?ちなみに、他の土木知識もまとめているので、詳しくは「【完全初心者向け】積算に役立つ土木の基礎知識まとめ」を見てください!

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