【図解】敷モルタルとは?配合、厚み、用途について解説!

悩んでいる人

敷モルタルって何?基本的な配合は?土木初心者でよくわからない。周囲にも聞けない。

こんな悩みに答えます。

本記事の内容
  • 敷モルタルとは?
  • 敷モルタルの基本配合
  • 敷モルタルの厚み(目安)
  • 敷モルタルの主な用途
  • 敷モルタルの施工手順
  • 敷モルタル施工時の注意点
  • この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。

本記事では、敷モルタルについて解説したいと思います。

この記事を読めば、敷モルタルの初歩的な知識が身につきます。

土木初心者が必死に調べて書いた記事です。間違いがあれば教えてください。

目次

敷モルタルとは?

富山県/モルタルに代わる簡易なレベリング材の開発

敷モルタルとは、建築や土木工事において床面や地面に直接施工されるモルタルのことを指します。

特にタイルや石材、レンガなどの仕上げ材を敷設する際、その下地として使われることが多く、施工面の平滑化や接着力の確保、レベル調整などを目的としています。「床付けモルタル」や「下地モルタル」とも呼ばれることがあります。

敷モルタルの基本配合

モルタルは、セメント、砂(骨材)、水を混ぜて作る建築材料です。

使用目的によって配合比は異なりますが、敷モルタルの場合は強度と作業性のバランスが求められるため、一般的にはセメント1に対して砂2~4の割合で混合されることが多いです。

必要に応じて混和剤や防水剤を加えることもあります。

土木工事で使われる敷モルタルは、一般的に1:3(セメント:砂)だそうです。

参考となる根拠は、国土交通省の標準仕様書に記載がありました。

特仕3-3-8 縁石工
  1. 「共仕」第1編3-3-8縁石工の1項の敷モルタルは1:3(セメント:砂)の重量配合とする。

土木工事特記仕様書-国土交通省-

敷モルタルの厚み(目安)

用途厚みの目安
タイル下地(屋内)10~20mm
タイル下地(屋外)20~30mm
石材・レンガなどの下地25~40mm
土間モルタル(直接仕上げ)30~50mm
レベル調整・傾斜付け用必要に応じて20~50mm程度

薄すぎると剥がれ・ひび割れ、厚すぎると収縮・沈下のリスクがあります。

敷モルタルの主な用途

鳥取で注文住宅を建てる高野組のブログ

タイル・石材の下地

敷モルタルの最も一般的な用途は、床タイルや石材の敷設の下地として使用されることです。

モルタルの上にタイルや石材を敷き込み、接着剤またはモルタルで固定します。平滑な下地を確保することで、仕上がりの美しさや耐久性が向上します。

レベル調整

既存のコンクリート面や土間に不陸(でこぼこ)がある場合、敷モルタルを用いて平らに整えることで、その上に敷設される材料の施工精度を高めます。数ミリ~数センチ程度の高さ調整が可能です。

床の下地づくり(内装・外構)

室内床の仕上げ前の下地づくりや、ベランダ、玄関アプローチ、駐車場など外構部分の床仕上げ前にも使用されます。

コンクリート打設後にそのまま仕上げとせず、敷モルタルを施すことで仕上げ材がよりしっかりと密着します。

敷モルタルの施工手順

  1. 下地の清掃・準備
     施工する面のホコリや油分、水分などを取り除きます。既存のコンクリート面に施工する場合は、プライマーや接着剤(セメントペーストなど)を塗布して密着性を高めます。
  2. モルタルの練り混ぜ
     セメントと砂を所定の割合で混ぜ、水を加えて練ります。使用する場所の気温や湿度によって水の量を調整し、練りすぎに注意します。
  3. 敷設・レベル出し
     所定の厚みにモルタルを敷き、トンボや定規などを使って水平・勾配を調整します。勾配が必要な場合は、排水方向に1/100〜1/50程度の傾斜をつけるのが一般的です。
  4. 仕上げ・養生
     鏝(こて)で表面を平滑に仕上げた後、直射日光や強風を避けて適切に養生します。通常は1〜2日で硬化が始まりますが、完全に乾燥・硬化するまでには数日〜1週間ほどかかります。

敷モルタル施工時の注意点

  • 下地の密着:古いコンクリートの上にモルタルを施工する場合、界面処理が不十分だと剥がれの原因になります。セメントペーストを塗布したり、接着剤を使用することが推奨されます。
  • 施工厚の確保:薄すぎるモルタルは剥離やひび割れを起こしやすく、厚すぎると乾燥ムラが生じるため、目的に応じて適正な厚み(一般には20~40mm)を守ることが重要です。
  • 水分管理:夏場は急激な乾燥を防ぐために湿潤養生を行い、冬場は凍結に注意して温度管理を行う必要があります。
  • 仕上げ材との相性:仕上げ材との相性や接着方法に応じて、モルタルに混入する添加剤の種類を選ぶことが求められます。

まとめ

敷モルタルは、建築や外構工事における基礎的かつ非常に重要な工程であり、その品質は最終的な仕上げの出来栄えや耐久性に直結します。

見た目には地味な作業に思えるかもしれませんが、確実で丁寧な施工が求められるため、プロの技術と経験が試される分野です。

近年の材料技術の進化により、より高機能で効率的な敷モルタル施工が可能になってきており、今後も進化が期待される分野といえるでしょう。

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