
排水性舗装って何?土木初心者でよくわからない。周囲にも聞けない。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
- 排水性舗装とは?
- 排水性舗装の舗装構成
- 排水性舗装の種類
- 排水性舗装の適用場所
- 排水性舗装のメリット、デメリット
- 排水性舗装と透水性舗装の違い
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
本記事では、排水性舗装について解説したいと思います。
この記事を読めば、舗装の初歩的な知識が身につきます。
目次
排水性舗装とは?

排水性舗装は、表面に開いた空隙を持つアスファルト混合物を使用し、雨水を迅速に排出する機能を持つ舗装です。
この構造により、雨天時の水はけが良くなり、滑りやすさの軽減や騒音の低減が期待されます。
排水性舗装の舗装構成

排水性舗装は、一般的に、以下のような層で構成されます。
- 表層:空隙率の高い多孔質なアスファルト混合物を使用し、雨水を迅速に排出します。
- 基層(不透水性層):表層の下に設けられ、雨水が路盤以下に浸透するのを防ぎます。
- 路盤・路床:舗装全体の支持力を確保するための基礎部分です。
この構成により、雨水は表層から基層を通り、不透水性層の上を流れて排水施設へと導かれます。
排水性舗装の種類
排水性舗装は、使用する材料や機能により以下のように分類されます。
- ポーラスアスファルト舗装:空隙率の高いアスファルト混合物を使用し、排水性と騒音低減効果がある舗装です。
- ポーラスコンクリート舗装:空隙率の高いコンクリートを使用し、排水性と騒音低減効果がある舗装です。
- グルービング舗装:舗装表面に一定間隔で浅い溝を作り、排水性とすべり抵抗性を向上させる舗装です。
排水性舗装の適用場所
排水性舗装は、以下のような場所での使用が適しています。
- 高速道路や幹線道路:雨天時の水はけを良くし、滑りやすさを軽減します。
- 都市部の道路:騒音低減効果が期待され、周辺環境への配慮が求められる場所に適しています。
- 歩道や駐車場:歩行者の安全性を高め、雨水の排出を促進します。
ただし、積雪寒冷地域では、凍結や融雪剤の影響を考慮し、適用に注意が必要です。
排水性舗装のメリット、デメリット
メリット
- 水はけの向上:雨水を迅速に排出し、滑りやすさを軽減します。
- 騒音低減:車両走行時の騒音を抑制します。
- 安全性の向上:雨天時の視認性や制動性が改善されます。
デメリット
- 施工コストの増加:特殊な材料や施工方法が必要となり、コストが高くなります。
- メンテナンスの必要性:空隙が詰まると排水性が低下するため、定期的な清掃や保守が必要です。
- 耐久性の課題:空隙が多いため、従来の密粒度舗装に比べて耐久性が劣る場合があります。
排水性舗装と透水性舗装の違い

排水性舗装と透水性舗装は、雨水の処理方法に違いがあります。
特徴 | 透水性舗装 | 排水性舗装 |
水の処理方法 | 雨水を地中に浸透させる | 雨水を舗装内部で排水路へ誘導 |
適用場所 | 歩道、公園、駐車場など | 車道、高速道路など |
メリット | 地下水涵養、水たまり防止、ヒートアイランド緩和 | 滑り防止、騒音低減、視認性向上 |
デメリット | 目詰まりによる透水性低下、施工コストが高い | 施工コストが高い、定期的なメンテナンスが必要 |
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