
「フルデプスアスファルト舗装」って何?土木初心者でよくわからない。周囲にも聞けない。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
- フルデプスアスファルト舗装とは?
- フルデプスアスファルト舗装の特徴
- フルデプスアスファルト舗装の適用場所
- フルデプスアスファルト舗装の施工手順
- フルデプスアスファルト舗装のメリット、デメリット
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
本記事では、フルデプスアスファルト舗装について解説したいと思います。
この記事を読めば、舗装の初歩的な知識が身につきます。
目次
フルデプスアスファルト舗装とは?

フルデプスアスファルト舗装とは、路盤から表層までアスファルト混合物および瀝青安定処理路盤材料で構成される舗装工法です。
通常のアスファルト舗装では、路盤部に粒度調整砕石や路盤材を使用し、その上にアスファルト層を設けるのに対し、フルデプス舗装はアスファルト混合物を全面にわたって敷設します。
フルデプスアスファルト舗装の特徴
- 構造が単純
路盤・基層・表層をすべてアスファルト混合物で構成することで、設計・施工が比較的簡単になる。 - 耐久性が高い
全断面がアスファルトのため、ひび割れやわだち掘れへの耐性が向上する。 - 施工期間の短縮が可能
シックリフト工法と併用することで、施工期間が短くなる。 - リサイクル性が高い
アスファルト混合物は再生利用がしやすく、将来的な改修工事でも有利。
フルデプスアスファルト舗装の適用場所
- 重交通道路
交通量や大型車両の通行が多い幹線道路や産業道路など。 - 交差点・バス停部
局部的に荷重が集中する箇所。ひび割れや変形に強い舗装が必要な場合。 - 都市部の舗装
地下埋設物が多い都市部で、将来的な掘削や復旧が想定される場所。 - 寒冷地・霜害対策箇所
凍結融解の繰り返しによる損傷に強い構造が求められる地域。
フルデプスアスファルト舗装の施工手順

- 路床整正・転圧
路床(土工部)の整地・転圧し、所定の締固め度を確保する。 - アスファルト基層の敷設・転圧
アスファルト混合物を敷き均し、ローラーなどで締固める。 - アスファルト中間層(必要に応じて)敷設・転圧
荷重分散性向上のため、基層と表層の間に設ける場合がある。 - アスファルト表層の敷設・転圧
仕上げ層として高品質なアスファルト混合物を敷設・締固める。 - 仕上げ・ライン引き
完成後、路面清掃や区画線引きを行う。
フルデプスアスファルト舗装のメリット・デメリット
メリット
- 高い耐久性・耐荷重性
重交通にも長期間耐える。 - 施工期間短縮・維持管理が容易
施工が速く、補修も簡単。 - リサイクル性が高い
将来的な材料再利用がしやすい。 - 凍結融解・霜害に強い
寒冷地でも有利。
デメリット
- 初期コストが高い
アスファルト混合物の使用量が多く、材料費・施工費が高くなりやすい。 - 材料確保・運搬コスト
大量のアスファルト材料が必要となり、供給体制が重要。 - 地盤条件への配慮が必要
路床が弱い場合は補強や地盤改良が必要となる場合がある。※CBR6以上必要。CBR6未満の場合は、路床構築が必要。
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