
「グースアスファルト舗装」ってよく聞くけど何?普通のアスファルトと何が違うの?土木初心者でよくわからない。。。周囲にも聞けない。。。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
- グースアスファルト舗装とは?
- グースアスファルト舗装の特徴
- グースアスファルト舗装の構成材料
- グースアスファルト舗装の施工手順
- グースアスファルト舗装の用途
- グースアスファルト舗装のメリット、デメリット
- グースアスファルト舗装と一般アスファルト舗装の違い
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
本記事では、グースアスファルト舗装について解説したいと思います。
この記事を読めば、舗装の初歩的な知識が身につきます。
目次
グースアスファルト舗装とは?

グースアスファルト舗装(Guss Asphalt Pavement)は、高温で流動性のある特殊なアスファルト混合物を用いて施工する舗装方式です。
ドイツ語の「Guss」は「鋳造(ちゅうぞう)」の意味で、溶かして流し込むように施工するのが特徴。転圧(ローラーで固める作業)をしなくても、自然に平らになり、空隙が少ない緻密な構造になります。
グースアスファルト舗装の特徴
- 高温流動性:約240~260℃で非常に柔らかくなる。まるで溶けたチョコのように流し込める
- 非転圧型:転圧が不要。自然に締まり、施工機械が少なく済む
- 高い水密性:空隙がほとんどないため、水が染み込みにくく、排水設備が不要な場合も
- 耐薬品性・耐摩耗性:工場や物流施設などの過酷な環境でも強い
グースアスファルト舗装の構成材料

- 硬質アスファルト(ペネトレーション15以下)
→ 高温で軟らかくなり、冷めると非常に硬くなる。 - 充填性骨材(微細な骨材)
→ 密度が高く、隙間ができにくい。 - フィラー(石粉)
→ アスファルトの粘度と硬化性をコントロール。 - 添加剤(ポリマーなど)(場合によって)
→ さらに耐久性を高めたいときに使用。
グースアスファルト舗装の施工手順

- 混合プラントで高温に加熱したグースアスファルトを製造
- 約240~260℃に加熱
- 施工現場へ専用加熱車(クッカー車)で運搬
- 温度を保ったまま現場へ
- 舗装箇所に流し込む(敷き均し)
- 特殊な舗装機械または手作業で平らに広げる
- 自然冷却・硬化(転圧は不要)
- 数時間で硬化し、歩行・車両通行が可能に
グースアスファルト舗装の用途
グースアスファルトは、以下のような特殊な環境や厳しい使用条件の場所に適しています。
- 鋼床版の舗装
- 寒冷地の耐摩耗表層
- 工場内の舗装
- 低温施設内の舗装
グースアスファルト舗装のメリット、デメリット
グースアスファルト舗装のメリット
- 高い水密性:水が入らず、雨水による劣化に強い
- 耐久性◎:摩耗・油・薬品に強く、長寿命(15〜20年)
- 段差や継ぎ目ができにくい:鋳造のように流し込むから
- 施工が速い:短期間で硬化し、すぐ交通開放できる
グースアスファルト舗装のデメリット
- 施工温度が非常に高い:作業環境に注意が必要(火傷・火災リスク)
- 特殊な設備が必要:加熱車(クッカー車)など
- コストが高め:材料費・設備費・技術力を要する
- 一般道路には不向き:高温流動性のため、勾配がないと施工困難
グースアスファルト舗装と一般アスファルト舗装の違い
項目 | グースアスファルト | 通常のアスファルト |
施工方法 | 流し込み・非転圧 | 敷き均し・転圧 |
耐水性 | ◎ 密閉性高い | △ 空隙あり |
耐薬品・耐油 | ◎ 強い | △ 弱い |
工期 | 短い(硬化早い) | 標準 |
コスト | 高め | 安価 |
適用 | 特殊用途 | 一般道路 |
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