
「ラーメン構造」ってよく聞くけど何?トラス構造と何が違うの?土木初心者でよくわからない。。。周囲にも聞けない。。。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
- ラーメン構造とは?
- ラーメン構造の由来は?
- ラーメン構造の有名建築物
- ラーメン構造のメリット・デメリット
- ラーメン構造とトラス構造の違い
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
本記事では、ラーメン構造について、橋をメインに解説したいと思います。
この記事を読めば、ラーメン構造の初歩的な知識が身につきます。
目次
ラーメン構造とは?


ラーメン構造とは、建築や土木の分野で使われる用語で、柱と梁(はり)を剛接合して構成される構造形式のことです。
特徴
- 変形しにくく、地震や風に強い
- 接合部がしっかりしていて、一体化したフレーム構造になっている
- 構造計算が比較的シンプルで、多くの建物で採用されている
- 鉄骨造や鉄筋コンクリート造でよく使われる
ラーメン構造の由来は?
ラーメン構造という名前の由来は、ドイツ語の「ラーマ」から来ている言葉で、これが「梁(はり)」を意味しています。

英語の「frame」や日本語で言う「フレーム構造」に近い意味を持つ言葉なんですね。
ラーメン構造は、柱と梁(はり)を直角に組み合わせ、力を伝える方式だから、その名前がついたそうです。
ラーメン構造の有名建築物
ラーメン構造は、主に鉄筋コンクリートや鉄骨構造に使われるため、高層ビルや商業施設などの現代的な建物でよく見られます。
エンパイア・ステート・ビルディング(アメリカ)

高層ビルで有名なエンパイア・ステート・ビルも、ラーメン構造を基にした鉄骨フレーム構造。この構造は柱と梁の組み合わせで、外力を全体に均等に分散する。
東京タワー(日本)

高層建築物であり、鉄骨を使ってラーメン構造を活かしている。特に鉄骨の柱と梁が組み合わさったフレームが特徴的。
ラーメン構造のメリット・デメリット
ラーメン構造のメリット
- 剛性が高く、地震に強い
- 柱と梁が固定されているので、地震の揺れにも粘り強く対応できる。
- 接合部が動かないため、変形しにくい。
- 構造がシンプルで施工しやすい
- 四角いフレーム構造なので、設計や施工が比較的簡単。
- 材料が一般的(鉄筋コンクリートなど)で、コストも抑えやすい。
- 維持管理がしやすい
- 部材の数が少なく、構造が単純なので点検しやすい。
- トラス橋のように複雑な接合部が少ない。
- 橋の高さを抑えられる
- トラス橋に比べて上部構造がコンパクトになるため、景観や高さ制限のある場所に向いている。
ラーメン構造のデメリット
- 長いスパン(長距離)には不向き
- 剛接合なので、構造が重くなりがち。
- 長い距離を飛ばすのは難しい → 通常は中短距離用(〜50mくらいが多い)。
- 接合部の設計・施工に注意が必要
- 剛接合は、応力(力の伝わり方)が集中しやすいので、しっかり設計しないと危険。
- 接合部にひび割れなどが入ると、全体に影響する。
- 伸縮や温度変化に弱い場合がある
- 剛接合なので、橋全体が「動きにくい」 → 温度での膨張・収縮に配慮が必要。
- 対応しないと、橋に余計な力がかかってしまう。
ラーメン構造とトラス構造の違い
ラーメン構造とトラス構造について、土木の観点から違いをまとめてみました。
項目 | ラーメン構造 | トラス構造 |
---|---|---|
構造形式 | 柱と梁の剛接合でフレームを作る | 三角形のトラス構造で力を分散 |
力の受け方 | 曲げモーメントも支える | 引張と圧縮で力を伝える(曲げは少ない) |
接合部 | 固定されていて変形しにくい | **ピン接合(自由に回転)**が基本 |
主な材料 | 鉄筋コンクリート、プレストレスコンクリート | 鋼材(鉄骨)が多い |
見た目 | シンプルで四角っぽい、柱と梁の組み合わせ | トラス特有の三角形が目立つ構造 |
橋の長さ | 短~中距離向き(100m以下が多い) | 中~長距離(数百メートルまで可能) |
メリット | ・剛性が高く地震に強い ・下に支点がある場合に有利 | ・軽量で長距離に対応 ・材料の効率がいい |
デメリット | ・構造が重くなりがち ・スパンを長くしにくい | ・外観がごちゃつく ・メンテナンスが大変なことも |
- ラーメン橋 → 短距離・剛接合・地震に強い・構造がシンプル
- トラス橋 → 長距離・三角構造・軽くて強い・見た目が複雑
って感じですね。
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