
プライムコートって何?タックコートとの違いは?PK-3とPK-4って何が違うの?土木初心者でよくわからない。周囲になかなか聞けない。
こんな悩みに答えます。
- プライムコートとは?
- タックコートとは?
- PK-3とPK-4の違い
- プライムコート、タックコートの違い
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
プライムコートとタックコートは、どちらも舗装工事で使うものですが、目的や材料が異なります。
この記事を読めば、プライムコートとタックコートの初歩的な知識が身につきます。
プライムコートとは?

プライムコートとは、アスファルト舗装の施工時に、下層路盤とアスファルト混合物の間の接着性を高めるために使用されるアスファルト系の乳剤です。
特に、砕石やクラッシャーランといった未舗装の基盤に対して塗布され、アスファルト混合物の施工を安定させる効果があります。
- 下層路盤とアスファルト層の接着確保
- 粉塵の抑制
- 水分の浸入を防ぐ
一般的に使用される材料は、アスファルト乳剤(例:PK-3)であり、塗布後に適度な乾燥時間を設けてからアスファルト層の施工が行われます。
タックコートとは?

タックコートは、既設のアスファルト舗装と新たに重ねるアスファルト層との間に使用する接着材です。
こちらもアスファルト乳剤が用いられますが、使用目的がプライムコートと異なります。
- アスファルト舗装の打ち換え時(オーバーレイ)
- 新旧アスファルト層の一体化を図るとき
表層と表層、あるいは表層と基層といった“アスファルトとアスファルト”の接合部に使われるのが特徴です。
これにより層間剥離を防ぎ、耐久性を向上させる効果があります。
PK-3とPK-4の違い
PK-3とPK-4は、いずれもアスファルト乳剤の種類ですが、それぞれ用途や特性に違いがあります。
項目 | PK-3 | PK-4 |
---|---|---|
用途 | 主にプライムコート用 | 主にタックコート用 |
粘度 | 比較的低粘度(浸透性重視) | 高粘度(表面保持重視) |
浸透性 | 高い | 低い |
接着力 | 比較的弱い | 強い |
主な塗布対象 | 未舗装の基盤(土・砕石など) | 既設アスファルト舗装 |
つまり、PK-3は未舗装の路盤に深く浸透して固化させるために用いられるのに対し、PK-4はすでに舗装された表面にしっかりと接着するよう設計されています。
プライムコートとタックコートの違い
両者は似たような作業に見えますが、目的・使用場所・材料に明確な違いがあります。
項目 | プライムコート | タックコート |
---|---|---|
使用目的 | 路盤とアスファルト層の接着 | アスファルト層同士の接着 |
主な塗布対象 | 路盤(砕石・クラッシャーラン等) | 既設アスファルト舗装 |
使用する乳剤 | PK-3など低粘度アスファルト乳剤 | PK-4など高粘度アスファルト乳剤 |
浸透性 | 高い(路盤にしみ込む) | 低い(表面にとどまる) |
施工のタイミング | アスファルト舗装前 | アスファルト層の重ね舗装時 |
まとめると、プライムコートは基盤と初層を結びつけるための「下地処理」であり、タックコートはアスファルト層同士を接着させるための「中間接着」です。
それぞれの役割を理解して正しく使い分けることで、舗装の耐久性・品質が大きく向上します。
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