【図解】寒中コンクリートとは?留意点(養生等)について超簡単解説!

悩んでいる人

寒中コンクリートって何?施工上の留意点は?養生方法や養生期間は?土木初心者でよくわからない。周囲になかなか聞けない。

こんな悩みに答えます。

本記事の内容
  • 寒中コンクリートとは?
  • 寒中コンクリートの問題点
  • 寒中コンクリートの適用期間
  • 寒中コンクリートの留意点
  • 寒中コンクリートの養生方法、養生期間
  • この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。

コンクリートは温度の影響を強く受ける材料であり、施工時の気温が低すぎると、強度の発現や耐久性に悪影響を及ぼします。そのため、気温が特に低い冬季に施工される寒中コンクリートは特別な対策が必要になります。

本記事では、それぞれの特徴、問題点、対策方法について詳しく解説します。

この記事を読めば、寒中コンクリートの品質向上につながります。

土木初心者が必死に調べて書いた記事です。間違いがあれば教えてください。

目次

寒中コンクリートとは?

寒中コンクリートの基礎知識|定義・配合・処置についてまとめ | CMC

寒中コンクリートとは「日平均気温が4℃以下になることが予想される場合に施工されるコンクリート」と定義されています。

なぜ寒い時のコンクリート施工に注意が必要かというと、超簡単にいえば「寒い時にコンクリート打つと劣化しやすい低品質なコンクリートになるから」ですね。

寒中コンクリートの問題点

例えば、寒中コンクリートでは、以下のような問題が発生しやすくなります。

①凍害による強度低下

コンクリートの凍害 – 株式会社岡﨑組 生コン事業部

コンクリートの凍結温度は約-2.0~-0.5℃。コンクリートが凍ると体積が膨張し(初期凍害)、その後に養生しても所定の強度が得られず、凍結と融解を繰り返してコンクリートが徐々に劣化していきます。

②凝結、硬化の遅延

凍結融解作用によるコンクリートのひび割れ | CMC

コンクリートは、気温が低下すると、凝結及び硬化が遅延するため、工程等に問題が発生したり、ひび割れや変形の原因になる。

寒中コンクリートの適用期間

寒中コンクリートの適用期間について、『寒中コンクリート施工指針・同解説』をご覧ください。

参考に、一部地域における寒中コンクリート適用期間を記載しておきます。

  • 札幌(北海道):11/1~3/31
  • 仙台(宮城):12/11~3/20
  • 宇都宮(栃木):12/11~2/28
  • 松本(長野):12/1~3/20
  • 京都(京都):1/21~2/10

寒中コンクリートの留意点

寒中コンクリート施工では、低温による凍結や強度発現の遅れを防ぐため、以下の点に留意する必要があります。

①AE減水剤を使用する

AE減水剤を用いることで、コンクリートのワーカビリティを確保しながら水分量を減らし、耐凍害性を向上させます。空気量を適切に管理し、耐久性の高いコンクリートを打設します。

②コンクリートの練り混ぜ、打ち込みは最短で行う

練り混ぜから打ち込みまでの時間が長くなると、コンクリートの温度が低下し、硬化不良や凍結のリスクが高まります。迅速な施工を心がけ、打ち込みを効率的に行うことが重要です。

③打ち込み時のコンクリート温度を5~20℃に保つ

打ち込み時のコンクリートの温度が5℃未満になると、水和反応が遅くなり、強度発現が大幅に遅れる可能性があります。加温した材料を使用するなどして、適切な温度を確保します。

④セメントは普通ポルトランドセメントまたは早強ポルトランドセメントを使用する

寒中コンクリートは、低温養生した際の強度増進の遅れが小さく、コンクリートが凍害を受ける恐れが少ない普通または早強ポルトランドセメントの使用が推奨されます。

寒中コンクリートの養生

寒冷期における養生は、コンクリートの凍結を防ぎながら適切な強度を発現させるために不可欠です。

①保温養生(シートで覆う)

寒中コンクリートについて|お知らせ|株式会社緒方生コン

打設後のコンクリートは、シートや断熱材で覆い、温度の低下を防ぎます。特に夜間は急激に冷え込むため、適切な保温対策を講じることが重要です。

②給熱養生(ジェットバーナーや練炭を使用する)

寒中コンクリートについて|お知らせ|株式会社緒方生コン

気温が著しく低い場合は、ジェットバーナーや練炭などを用いてコンクリートを加温し、適切な硬化を促します。ジェットバーナーや練炭を使用する時は、乾燥を防ぐために適度な湿度を保つことも必要です。

③養生温度の管理

養生中の温度は5℃以上を維持し、さらに打設後2日間は0℃以上を保つ必要があります。これにより、コンクリートが初期段階で凍結するリスクを防ぎ、強度の確保が可能になります。

④養生期間

養生は、コンクリートの圧縮強度が12.0N/㎟に達するまで行う必要があります。適切な養生を怠ると、強度不足や耐久性の低下につながるため、十分な期間を確保することが求められます。

寒中コンクリートの型枠

寒冷期における型枠は、コンクリートの保温と適切な硬化を促すため、以下の点に配慮して選定します。

①保湿性の高い木製型枠を使用する

木製型枠は、保湿性が高く、コンクリートの水分蒸発を抑える効果があります。さらに、断熱効果も期待できるため、冬期の施工に適しています。型枠を外すタイミングも慎重に見極め、十分な強度が得られてから脱型することが重要です。

以上の点を考慮し、寒中コンクリートの適切な施工・養生を行うことで、品質の高いコンクリート構造物を確保することができます。

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