【図解】斜面と法面の違いとは?超わかりやすく解説!

悩んでいる人

法面と斜面って一緒の意味だよね?土木初心者でよくわからない。周囲にも聞けない。

こんな悩みに答えます。

本記事の内容
  • 斜面とは?
  • 法面とは?
  • 法面の機能と工法
  • 法面と斜面の違い
  • 法面に関する注意点
  • この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。

「法面(のりめん)」と「斜面」は、どちらも傾斜地を指す言葉ですが、土木・建築の分野では明確な違いがあります。

本記事では、斜面と法面の違いについて解説したいと思います。

この記事を読めば、土木の初歩的な知識が身につきます。

土木初心者が必死に調べて書いた記事です。間違いがあれば教えてください。

目次

斜面とは?

斜面防災技術│天龍建設株式会社

「斜面」とは、山や丘、谷などの自然地形における傾斜部分を指す一般的な用語です。

自然に形成された地形であり、特定の工事や人工的な加工が施されていない状態のものを含みます。ただし、造成や開発によって人工的に作られたものも「斜面」と呼ばれることがあります。

法面とは?

法面事業 | イビデングリーンテック株式会社

一方、「法面(のりめん)」は、道路建設や宅地造成などの開発行為に伴い、山地を削ったり構造物を設置することによって造られる人工斜面を指します。これらの人工斜面は、崩壊や落石のリスクがあるため、安定性を確保するための工事が必要です。法面は、自然斜面と異なり、設計や施工、維持管理が計画的に行われます。

法面の機能と工法

法面の主な目的は、造成地や道路沿いの斜面の安定性を確保し、土砂災害を防ぐことです。

そのため、以下のような工法が用いられます。

  • 植生工:植物の根によって法面表層部の保護・安定化を図る工事です。苗木を植えて植物を繁殖させることで、法面の強化を図ります。
  • 構造物工:モルタルやコンクリートによって法面の保護・強化・安定化を図る工事です。地中の深い部分の崩壊等を防ぎたいときに有効な補強方法です。
  • 排水工:法面の上部に降った雨を地表に排水することで、法面の風化や浸食、崩壊を防ぐ工事です。人工的に作った法面は、上部の土地の降った雨をせき止めてしまうと内部から水圧がかかって斜面が崩壊する可能性があります。

これらの工法を組み合わせることで、法面の安定性を高め、周辺環境との調和を図ります。

法面と斜面の違い

項目法面(のりめん)斜面
定義人工的に造成された傾斜地自然に形成された傾斜地
目的土砂災害防止、土地利用のための安定化自然地形の一部
工事の必要性必要(設計・施工・維持管理が計画的)通常は不要(ただし保護工事が必要な場合も)
主な工法植生工、構造物工、排水工など必要に応じて保護工事を実施
法的規制宅地造成等規制法、建築基準法などの適用特定の規制は少ないが、状況により適用される場合あり

法面に関する注意点

法面は人工的に造成された斜面であるため、以下の点に注意が必要です。

  • 設計と施工:地盤調査や排水計画を含めた適切な設計と施工が求められます。
  • 維持管理:定期的な点検や補修が必要であり、特に大雨や地震の後は注意が必要です。
  • 法的規制:宅地造成等規制法や建築基準法などの法的規制を遵守する必要があります。

まとめ

「法面」と「斜面」は、どちらも傾斜地を指す言葉ですが、人工的に造成されたか自然に形成されたかという点で大きく異なります。

法面は、土砂災害の防止や土地の有効利用のために重要な役割を果たしており、適切な設計・施工・維持管理が求められます。一方、斜面は自然地形の一部であり、通常は特別な工事は必要ありませんが、状況に応じて保護工事が行われることもあります。

土地の購入や開発を検討する際には、対象地が法面を含むかどうかを確認し、必要な対策を講じることが重要です。

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