
コンクリートに使われるセメントって何?セメントミルクとモルタルってどう違うの?土木初心者でよくわからない。周囲になかなか聞けない。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
- セメントとは?
- セメントミルクとは?
- モルタルとは?
- コンクリートとは?
- セメント、セメントミルク、モルタル、コンクリートの違い
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
本記事は、土木でよく使うコンクリートについて解説します。
この記事を読めば、コンクリートの超基礎的な知識が身につくはずです。
目次
セメントとは?

セメントは、モルタルやコンクリートの主成分となる粉末状の結合材のことです。
水と混ぜることで化学反応(硬化反応)を起こし、強固に固まります。一般的にポルトランドセメントが最もよく使われます。石灰石、粘土、珪石、酸化鉄などを焼成・粉砕した粉末です。
用途
- モルタルやコンクリートの原料
- 地盤改良材や補修材の成分
- 硬化性を利用して接着剤や補修材としても使用される
セメントミルクとは?

セメントミルクとは、セメントと水を混ぜた液体状の材料です。
非常に流動性が高く、サラサラしていて、細かい隙間にも入り込みやすいです。水分が多いため、強度はモルタルやコンクリートに比べて低いのが一般的です。
用途
- 地盤改良(グラウト材として注入)
- 補修工事(ひび割れ充填、コンクリートの接着剤として使用)
- 薬液注入工法(地盤沈下対策)
モルタルとは?

モルタルとは、セメントミルクに砂を加えたペースト状の材料です。
砂が入ることで強度が増し、セメントミルクより硬化後の強度が高いのが特徴。ただし、砂利を含まないためコンクリートよりは弱いです。
用途
- 仕上げ材(コンクリートの表面仕上げ、左官仕上げ)
- 接着材(タイルやレンガの貼り付け)
- 補修材(コンクリートのひび割れ補修)
- 薄層構造物(ブロックの目地材など)
コンクリートとは?

コンクリートとは、モルタルに砂利(粗骨材)を加えた材料です。
砂利(粗骨材)を含むことで、硬化後の強度が大幅に向上。最も強度が高く、構造材として幅広く使われます。モルタルよりも圧縮強度が高く、建築・土木構造物に最適です。
用途
- 建築構造物(建物の柱、梁、床、基礎)
- 橋やダムなどの土木構造物
- 道路・舗装
- プレキャストコンクリート製品(ブロック、パイルなど)
セメント、セメントミルク、モルタル、コンクリートの違い
セメント、セメントミルク、モルタル、コンクリートの違いについて、比較表を作成しました。
項目 | セメント | セメントミルク | モルタル | コンクリート |
成分 | セメント単体 | セメント+水 | セメント+水+砂 | セメント+水+砂+砂利 |
強度 | – (粉末のため硬化しない) | 低い | 中程度 | 高い |
用途 | モルタルやコンクリートの原料 | 地盤改良、ひび割れ補修、注入工法 | 仕上げ、接着、補修、目地材 | 建築・土木構造物、道路、基礎 |
金額(相対的) | ★★☆☆☆(比較的安価) | ★★☆☆☆(材料費は安いが施工コストがかかる) | ★★★☆☆(やや高め) | ★★★★☆(施工量によるがコストは高め) |
- セメントは、単体では粉末で、水と反応すると硬化する結合材。
- セメントミルクは、水と混ぜた液状で、流動性が高く注入や補修に使用。
- モルタルは、セメントミルクに砂を加えたペースト状で、接着や補修、仕上げに適している。
- コンクリートは、モルタルに砂利を加えて強度を増したもので、建築や土木構造物に使われる。
つまり、セメントミルク → モルタル → コンクリートの順に強度が増していくと考えるとわかりやすいです。
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