【図解】暑中コンクリートとは?7つの対策(温度、養生等)について超簡単解説! 

悩んでいる人

暑中コンクリートって何?施工上の留意点は?温度や養生、打ち込み時間は?土木初心者でよくわからない。周囲になかなか聞けない。

こんな悩みに答えます。

本記事の内容
  • 暑中コンクリートとは?
  • 暑中コンクリートの問題点
  • 暑中コンクリートの留意点
  • この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。

コンクリートは温度の影響を強く受ける材料であり、施工時の気温が高すぎると、強度の発現や耐久性に悪影響を及ぼします。そのため、気温が特に高い夏頃に施工される暑中コンクリートは特別な対策が必要になります。

本記事では、それぞれの特徴、問題点、対策方法について詳しく解説します。

この記事を読めば、暑中コンクリートの品質向上につながります。

土木初心者が必死に調べて書いた記事です。間違いがあれば教えてください。

目次

暑中コンクリートとは?

暑中コンクリート実機試験見学会 – 大阪広域生コンクリート協同組合

暑中コンクリートとは、日平均気温が25℃を超える期間に打設されるコンクリートを指します。日本では主に7月から9月が該当します。

なぜ暑い時のコンクリート施工に注意が必要かというと、超簡単にいえば「暑い時にコンクリート打つとボロボロで低品質なコンクリートになるから」ですね。

暑中コンクリートの問題点

暑中コンクリートの問題点は、以下のとおりです。

①作業効率の低下

高温によりセメントの水和反応が促進され、コンクリートの凝結が早まり、コンクリートのスランプ(流動性)が低下しやすく、所定のワーカビリティを維持するために単位水量が増加する傾向があります。

一般的に、練り上がり温度が10℃上昇すると、単位水量が2~5%増加するとされています。これにより、施工時間の短縮や仕上げ作業の遅れが問題となります。

②プラスチック収縮ひび割れの発生

コンクリートの初期収縮によるひび割れを防ぐには「乾燥させないこと」 | CMC

打設直後のコンクリート表面が急激に乾燥することで、プラスチック収縮ひび割れが生じやすくなります。特に高温・低湿度・強風の条件下では注意が必要です。

■プラスチック収縮ひび割れ
コンクリートが固まる前の「プラスチックな状態、すなわち、可塑性のある、変形しやすい状態」において、直射日光や風による水分の蒸発によりコンクリート表面が急激に乾燥することよって生じるひび割れ。固まる前のため、速やかにタンピングにより処置。

■乾燥収縮ひび割れ
コンクリートが固まった後の乾燥収縮ひび割れ。エポキシ樹脂注入工法などによりひび割れを埋めて補修しますが、仕上材の施工後にひび割れが進行しないように、仕上材の施工前までにできる限り長期間経過し、ひび割れができる限り終了した後に補修を行う計画とする。

引用元:プラスチック収縮ひび割れ – きょうのエスキス

③コールドジョイントのリスク増大

ConCom | コンテンツ 現場の失敗と対策 | コンクリート工事編 | 桟橋上部工に生じたコールドジョイント

凝結の早まりにより、打継ぎ部分での一体化が不十分となり、コールドジョイントが発生しやすくなります。

④温度ひび割れのリスク増大

マスコンクリートには温度応力解析で確実な対策を | 株式会社 岡﨑組

高温下での打設により、コンクリート内部の温度差が大きくなり、温度ひび割れが発生しやすくなります。

暑中コンクリートの留意点

暑中コンクリート施工では、以下の点に留意する必要があります。

①材料の冷やす

コンクリートの練り上がり温度を下げるため、骨材や混和水を冷却します。

骨材の温度を±2℃、水を±4℃調整することで、コンクリート温度を±1℃調整できます。

②適切な混和剤の使用

遅延型の混和剤を使用することで、凝結時間を調整し、施工時間の確保やスランプロスの抑制が可能です。

③打設時間の工夫

日中の高温時を避け、早朝や夜間に打設を行うことで、コンクリートの温度上昇を抑制します。

④打設後の養生

真夏のコンクリート打設は突然の雨や暑くなりすぎたりするので対策を

打設直後から適切な養生を行い、コンクリート表面の急激な乾燥を防ぎます。

シートで覆う、散水する、保湿性の高い養生材を使用するなどの方法があります。

⑤運搬時間の短縮

暑中コンクリート工事における対策マニュアル2018改定報告会 – 近畿生コン業界情報サイト

練り混ぜから打設完了までの時間を短縮することで、コンクリートの品質低下を防ぎます。

JASS5では、日平均気温が25℃以上の場合、練り混ぜから打ち込み終了までを1.5時間以内と規定しています。

そのため、適切な運搬計画をたてておく必要があります。

⑥適切な配合設計

中庸熱セメントや低熱セメントの使用、単位水量の調整、混和剤の適切な選定などにより、コンクリートの温度上昇やスランプロスを抑制します。

⑦型枠や配管の冷却

型枠や配管に散水することで、コンクリートの温度上昇を抑制します。

これらの対策を適切に組み合わせることで、高温環境下でも品質の高いコンクリート構造物を構築することが可能です。特に、施工計画段階から高温対策を考慮し、現場での迅速な対応が求められます。

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