
擁壁の練積みって何?空積みとの違いは何?土木初心者でよくわからない。周囲になかなか聞けない。
こんな悩みに答えます。
本記事の内容
- 練積みとは?
- 空積みとは?
- 練積み、空積みの違い
- この記事を書いてる人

この記事を書いてる私は、県土木職員5年経験した土木初心者。知識ゼロでもわかる初心者向けに土木情報を発信しています。
この記事を読めば、練積み、空積みの初歩的な知識が身につきます。
目次
練積み(ねりづみ)とは?
練積みとは、モルタル(セメントと砂を混ぜたもの)やコンクリートを使用して、ブロックや石を接着しながら積み上げる方法です。



擁壁工指針によると、一般的なブロック積擁壁であれば、「練積み」を採用します。

土木にいたとき、練積みばっかりでしたね。
特徴
- メリット)接着力が強く、構造物が非常に安定する。長期間の耐久性が高い。
- デメリット)モルタルやコンクリートが乾く時間を要し、施工に手間がかかる。コストが比較的高い。
空積み(からづみ)とは?
空積みとは、モルタルや接着剤を使用せず、ブロックや石を積み重ねる方法です。


各ブロックが接触するだけで、接着剤を使わずに積み上げます。
強度をそれほど求められない場合や、見た目を重視した石垣などで使用されます。
また、空積みはブロック同士に隙間があくので、河川環境の保全という観点で採用されるケースも多くあります。
特徴
- メリット)コストが比較的安い。河川環境へ配慮している。
- デメリット)安定性が低く、高い擁壁や強度が必要な構造物には不向き。施工できる人が現代は少ない。
練積み、空積みの違い
項目 | 練積み | 空積み |
---|---|---|
接着剤 | モルタル | なし |
施工方法 | 接着しながら積み上げ | 接着なしで積み上げ |
強度 | 高い | 低い |
用途 | 擁壁 | 石垣 |
技術力 | 不要 | 必要 |
コスト | 高い | 低い |
建設省の標準設計によると、勾配が1割未満は基本「練積み」採用だそうです。
ということで、原則は「練積み」を採用。勾配が1割以上の緩い勾配で、直高も低く、河川環境や景観への配慮が必要な場合は「空積み」でも良いかと思います。
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